親会社がない広島カープが優勝争いができるワケ

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広島カープはプロ野球12球団のなかで唯一、親会社を持たない球団です。そのため、他の球団と比べると資金力で劣っていると言わざるを得ません。特に1993年にフリーエージェント制が導入されてからはスター選手の流出が相次ぎました。逆に2018年にいたるまで、同制度で選手を獲得したことがありません。そういった事情もあり、1991年のリーグ制覇以来、長らく優勝から遠ざかっていました。

しかしながら、2013年以降に初めてクライマックスシリーズに進出してからというもの、2016年と2017年はリーグ連覇を果たすなど、近年の活躍はめざましいものがあります。

ここまで強くなれた理由の1つは、徹底した選手の育成です。多くのプロ野球解説者が広島カープのキャンプは12球団一厳しいと評しています。猛練習によりスキルの高い選手がたくさん生まれているのです。次にファンの支持。数年前から「カープ女子」が話題となっていますが、広島だけでなく、ビジター球場でもたくさんのファンが応援してくれ、これが選手の力になっているのは間違いありません。また、広島出身者以外にもカープファンが多いのは、前述のように資金力に頼らず、生え抜き選手を育てあげる球団方針に共感する人が多いからと言われています。

最後に選手のチーム愛です。一旦、FAでメジャーに渡り、「最後は広島でユニフォームを脱ぎたい」と、カープにカムバックした黒田博樹選手の言葉がそれを物語っており、他にもチーム愛を口にする選手がたくさんいます。

このように、資金力という弱みをマンパワーで克服した点が、広島カープの強さの秘密と言えます。