プロ野球とメジャーリーグ 投手への意識の違い
プロ野球のピッチャーが大切にする数字の1つに完封勝利数、完投勝利数というものがあります。いずれも最初から最後まで投げ抜くことが出来なければ果たせない記録です。
日本のピッチャーは100球を超えるほどのピッチングを行うことも少なくありません。苦しみながらも最後まで投げるということが美学とされることもあります。
メジャーリーグでは完封勝利や完投勝利が素晴らしいものという意識がそこまで強くありません。ピッチャーの肩は消耗品と考えられており、球数が多くなりすぎると怪我などの原因になることがあるため、100球近く投げるとあっさり交代させることも珍しくありません。 1試合を最後まで投げることにこだわりがあるというより、シーズンの間ローテーションを守ることに重きを置いている投手も多くなっています。
このような違いを生んだ大きな理由は1シーズンの試合数です。プロ野球はメジャーリーグほど試合数がなく、1度先発すれば中6日ほど休むことが出来ます。メジャーリーグでは中4日や中5日で投げる先発ピッチャーが多く、完投するのはなかなか難しくなっています。
現在のプロ野球では投手の肩を守ることの重要性が見直されつつあります。好投していても球数が多いとリリーフピッチャーに積極的に交代するケースがよく見られます。
先発投手が完投する試合もあれば、投手のリレーで相手を抑え込む試合もあり、両方を見られる試合があるのがプロ野球の大きな特徴といえるでしょう。